2021年11月13日・14日の読売新聞、朝日新聞、日本経済新聞の各紙書評欄に掲載された
人文会会員社書籍の書評情報を紹介します!
2021年のアーカイブ
今日の一冊VOL.004@神田神保町で人文書

オレーク・V・フレヴニューク 著/石井 規衛 訳『スターリン:独裁者の新たなる伝記』(白水社)
ロシアの世界的権威が、スターリンに直接由来する文書館史資料に可能な限り基づきつつ執筆した、最初にして第一級のスターリン伝。20世紀を代表する独裁者スターリンの軌跡を辿ることで、それと不可分のソヴィエト・ロシア史および世界史をきちんと把握できる、まさに現代史研究の「基本図書」。解禁された膨大な史資料にあたり、「独裁者の全貌」が浮かび上がる。
今日の一冊VOL.003@神田神保町で人文書

ジャック・デリダ 著『散種』(法政大学出版局)
『グラマトロジーについて』『エクリチュールと差異』『哲学の余白』と並ぶデリダの初期代表作! 〈書物〉の円環を破砕する「書物外」、ロゴスの真理を転覆させるパルマコン(薬/毒)としてのエクリチュール論「プラトンのパルマケイアー」、マラルメの詩学に形而上学の脱構築を見出す「二重の会」、ソレルスのテクスト機械に接ぎ木する「散種」の四篇が織りなす、書物ならざる書物の到来。
今日の一冊VOL.002@神田神保町で人文書

サラ・ボーウェン 著/小澤卓也/立川ジェームズ/中島梓 訳『テキーラとメスカル:同じ起源をもつアガベ・スピリッツ』(ミネルヴァ書房)
同じ起源をもつも異なる産品となったテキーラとメスカル。生産現場から消費地までをつぶさに踏査し名酒生産がはらむポリティクスを読み解く。
君知るや名酒これありー
今日の一冊VOL.001@神田神保町で人文書

ショーン・バイセル 著/矢倉 尚子 訳『ブックセラーズ・ダイアリー:スコットランド最大の古書店の一年』(白水社)
著者は三十歳のクリスマス、帰省中に立ち寄った老舗古書店を衝動買いしてしまう。紆余曲折を経ていまや十万冊の在庫を擁するスコットランド最大の古書店に成長。故郷も書店の町として知られるようになり、世界中から観光客が訪れるようになる。しかし大手書店チェーンや巨大資本アマゾン、電子書籍化いった手ごわいライバルが行く手に立ちふさがり、傍若無人な客、変人の度が過ぎる従業員たちとの多難な日々が待ち受ける。それでも本が好き、本屋が好きな人なら読むのを止められない、サバイバル日記。